前記事に続き手法として面白みを感じたのでご紹介。同じくBMJの最新記事です。
(Wootton et al., BMJ 2018)
UK Biobankに登録のある18万人を含む方々の遺伝的背景をランダム化割り付けし、その背景因子(BMI、性、年齢、血中コレステロールなど)と心血管代謝疾患の関連性を(原因効果(causal effect)という言い方をしています)をみたというもの。
遺伝的背景をそろえた状況で環境要因、BMIが疾患発現に影響する、との結論ですが、なんといってもGWASデータを使ったランダム化、といった手法。
今後の観察研究では同様に遺伝的背景をそろえた分析が必要になる、あるいは再解析する必要があるかもしれません。
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9/30/2018
9/29/2018
Pragmatic randamized trial: 食事療法の効用
BMJ誌に方法論として昨今取り上げられているPragmatic trial designを用いた研究が取り上げられていたのでご紹介。(Astbury et al., BMJ 2018)
テーマ、目的は肥満患者を通常治療をした場合と食事制限(低カロリー食)にランダム割り付けして12か月観察したというもの。ミソは実臨床、リアルワールドでその他条件をあまり制限せずに結果がどうなるかを見たというところでしょうか。
詳細な結果は以下にまとまっているので貼り付けのみとしておきます。

わかりやすくPragmatic trial designについてまとまっている資料を見つけたのでこちらにもご紹介しておきます。(製薬協 医薬品評価委員会 データサイエンス部会資料)
Take home messageは薬剤だけではない様々な曝露因子にかかわる健康リサーチは、今後ますますリアルワールドデータが重要になっていく、ということでしょうか。
テーマ、目的は肥満患者を通常治療をした場合と食事制限(低カロリー食)にランダム割り付けして12か月観察したというもの。ミソは実臨床、リアルワールドでその他条件をあまり制限せずに結果がどうなるかを見たというところでしょうか。
詳細な結果は以下にまとまっているので貼り付けのみとしておきます。

わかりやすくPragmatic trial designについてまとまっている資料を見つけたのでこちらにもご紹介しておきます。(製薬協 医薬品評価委員会 データサイエンス部会資料)
Take home messageは薬剤だけではない様々な曝露因子にかかわる健康リサーチは、今後ますますリアルワールドデータが重要になっていく、ということでしょうか。
9/15/2018
英国の高齢化社会の未来
モデルや手法は実際に自身でさわったことが無いものなのですが、その言わんとしているところに興味を覚えたのでご紹介させていただきます。
最近のLancet姉妹誌から、20年後の英国社会の高齢者の実態を予想したというものです。
The Population Ageing and Care Simulation (PACSim) modelを開発し縦断的な高齢者の介護必要性の程度、痴呆、循環器疾患についてシミュレーションを試みたという報告です。(Kingston et al., Lancet Public Health 2018;3: e447–55、Published Online
August 30, 2018)
シミュレーション結果としては、2015年から20年後の英国では介護を必要としない高齢者が増え得る一方、要介護者、軽度から重度もそれおぞれ、特に85歳以上のpopulationで増えることが予想されるということだそうです。(下図、同文献からの引用)
はてさて、日本は高齢者人口だけではなくその質を評価、推定する研究はどのように進んでいるのでしょうか?政策決定もEvidence-basedで行った方がより精度ある成功につながる施策になることが容易に推察されます。
最近のLancet姉妹誌から、20年後の英国社会の高齢者の実態を予想したというものです。
The Population Ageing and Care Simulation (PACSim) modelを開発し縦断的な高齢者の介護必要性の程度、痴呆、循環器疾患についてシミュレーションを試みたという報告です。(Kingston et al., Lancet Public Health 2018;3: e447–55、Published Online
August 30, 2018)
シミュレーション結果としては、2015年から20年後の英国では介護を必要としない高齢者が増え得る一方、要介護者、軽度から重度もそれおぞれ、特に85歳以上のpopulationで増えることが予想されるということだそうです。(下図、同文献からの引用)
はてさて、日本は高齢者人口だけではなくその質を評価、推定する研究はどのように進んでいるのでしょうか?政策決定もEvidence-basedで行った方がより精度ある成功につながる施策になることが容易に推察されます。
Sustainable Development Goalsへの注目
別のところで簡単に触れましたが今回も御紹介まで。
Lancet Global Healthでの寄稿ですが、まとまった記事になっていましたので興味があれば是非御一読を。
High-quality health systems in the Sustainable Development Goals era: time for a revolution
Lancet Glob Health 2018
Published Online September 5, 2018
Lancet Global Healthでの寄稿ですが、まとまった記事になっていましたので興味があれば是非御一読を。
High-quality health systems in the Sustainable Development Goals era: time for a revolution
Lancet Glob Health 2018
Published Online September 5, 2018
糖質制限、低炭水化物ダイエットの功罪
若い女性や中年の方々にとっての体重管理は現代病の一つとして、以前にも取り上げたテーマ(2018年1月,2017年7月の記事)ですが、今回も最近のダイエット療法の一つとして注目を浴びている、糖質制限食、または低炭水化物食といわれる食事の死亡への影響を検証しようとした論文が最近のLancet姉妹誌に報告されていました(Seidelmann et al., Lancet Public Health 2018;
3: e419–28).
背景にあるのは、実際脂肪分の摂取を減らす、糖質制限することが短期的な体重低下をもたらす、実感がわくからかもしれない。一方で、国際的な研究においても下記の記載のとおり高炭水化物食が死亡率の増加に寄与するとの報告もされている。
~the 2017 Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study, of individuals from 18 countries across five continents (n=135 335, median follow up 7·4 years, 5796 deaths), reported that high carbohydrate intake was associated with increased risk of mortality.
このような背景から、USの4地域の動脈硬化症リスクを検証する前向きコホートthe Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) study (between 1987 and 1989)に登録された、15 428 adults aged 45–64 years,に関して食事と脂肪との関係を検証したというもの。
平均25年間の追跡の結果からは、下図でご覧出来るようにU-shaped、低炭水化物食も高炭水化物食もどちらも死亡ハザードは高くなることがわかった。
エネルギー源が炭水化物から動物性脂肪、あるいは植物性脂肪に変えることは、それぞれの死亡ハザードを
animal-derived fat or protein (1·18, 95%CI:1·08–1·29)
plant-based (0·82, 95%CI:0·78–0·87).
という結果になるとのこと。
何事もほどほどですな。
3: e419–28).
背景にあるのは、実際脂肪分の摂取を減らす、糖質制限することが短期的な体重低下をもたらす、実感がわくからかもしれない。一方で、国際的な研究においても下記の記載のとおり高炭水化物食が死亡率の増加に寄与するとの報告もされている。
~the 2017 Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study, of individuals from 18 countries across five continents (n=135 335, median follow up 7·4 years, 5796 deaths), reported that high carbohydrate intake was associated with increased risk of mortality.
- Ref. Dehghan M
- Mente A
- Zhang X
- et al.
Associations of fats and carbohydrate intake with cardiovascular disease and mortality in 18 countries from five continents (PURE): a prospective cohort study.
Lancet. 2017; 390: 2050-2062このような背景から、USの4地域の動脈硬化症リスクを検証する前向きコホートthe Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) study (between 1987 and 1989)に登録された、15 428 adults aged 45–64 years,に関して食事と脂肪との関係を検証したというもの。
平均25年間の追跡の結果からは、下図でご覧出来るようにU-shaped、低炭水化物食も高炭水化物食もどちらも死亡ハザードは高くなることがわかった。
エネルギー源が炭水化物から動物性脂肪、あるいは植物性脂肪に変えることは、それぞれの死亡ハザードを
animal-derived fat or protein (1·18, 95%CI:1·08–1·29)
plant-based (0·82, 95%CI:0·78–0·87).
という結果になるとのこと。
何事もほどほどですな。
9/02/2018
肺炎球菌ワクチンupdate
小さな子供やお年寄りが身近にいる方はなじみのあるワクチンかもしれません。
肺炎球菌、という髄膜炎を起こして死に至ったり、敗血症を起こす原因菌に対する予防ワクチンとして有名なプレベナーによって、現代の多くの子供たちの感染が予防されています。(参考:肺炎球菌感染症 メルクマニュアル)
しかし、最近のLancet姉妹誌に近年の肺炎球菌ワクチンのターゲット菌株を逃れた血清型の出現、抗菌薬耐性株の出現をアラートする記事が出てきていました。(Ouldali et al., Lancet Infectious Diseases 2018) 紹介記事はこちら
フランスで予防ワクチン、プレベナー13価(PCV13)が導入された数年まで(2001年から2016年)までの肺炎球菌感染症、髄膜炎を追跡したというもの。PCV13導入は2014年12月からで、予想通りそれまでの髄膜炎発症率は半減しワクチンの効果が現れました。しかしながら、その後2016年に入るとペニシリン耐性を持つPCV13が対象としない株、24F株が出現してきたということです。
この株による侵襲性肺炎球菌感染症は日本でも観察されているとのこと。今のところ米国ではこの株の特異な変化はないようですが、引き続き注意が必要です。
24F株に限らず、PCV13がもたらした恩恵は計り知れませんが、一方で、PCV13で漏れる菌株は近年増加傾向(参考UKデータ)にあり、新たな対策が必要になってきます。
製薬会社も次世代ワクチンを開発中ですが、今回の24F株やその他の菌株に対するワクチン開発、対照株の選択だけでなく、菌株選択に頼らない予防法の開発はまだまだ必要との認識ができました。同じようにインフルエンザ予防も投資効果を含め、予防法の戦略を見直すべき時が近づいていると感じます。
世界の銃器犯罪
日本という平和な国に生まれ、生活していることをこういう記事を見ると感謝しつつ、
世界はまだまだ善くして行ける、していかなくてはいけないことを我々の世代、未来の世代に語っていかなくてはいけません。
JAMAの最新記事で世界195か国の1990年~2016年の間の銃器・武器犯罪や戦争による死亡率を総覧した記事だ掲載されています(JAMA. 2018;320(8):792-814. doi:10.1001/jama.2018.10060)。メディアも用意されていてわかりやすかったのでこちらも参照ください。(multimedia video)
明らかな偏りのある現実を世界各国は認識すべきかと思います。
2016年の一年間で251 000 (95% uncertainty interval [UI], 195 000-276 000)が銃器犯罪や戦争により死亡していると推定され, それらのなんと50.5% (95% UI, 42.2%-54.8%)は6つの国:Brazil, United States, Mexico, Colombia, Venezuela, and Guatemalaが占めているということです。
地図上で表すともっと明らかかと思いますが、北米南米に銃器の流通ルートが存在していること、日常にあふれていることが想像されます。
先進国、という言葉の意味するところはこういった犯罪、それにける健康被害においても
世界の先端、リードを担っていくべきかと思いますが、米国はその意味では非常に後進国であるといわなければなりません。
一方で、1990年から2016年の間の変化は大方減少に向かっていることは世界はより良くなっているとみることもできます。政治紛争や経済不安が起こると社会変化がこういった武器犯罪などに影響を与えることも類推されます。低い武器犯罪率を達成できている社会の原因を知り、自身の国に取り入れる努力を各国の政治家、健康医療に携わるものが学ぶべきと思います。
今回取り上げたテーマに関しては日本は誇りをもってお手本となる社会インフラや銃器管理に関して世界に発信できるのではないでしょうか?
世界はまだまだ善くして行ける、していかなくてはいけないことを我々の世代、未来の世代に語っていかなくてはいけません。
JAMAの最新記事で世界195か国の1990年~2016年の間の銃器・武器犯罪や戦争による死亡率を総覧した記事だ掲載されています(JAMA. 2018;320(8):792-814. doi:10.1001/jama.2018.10060)。メディアも用意されていてわかりやすかったのでこちらも参照ください。(multimedia video)
明らかな偏りのある現実を世界各国は認識すべきかと思います。
2016年の一年間で251 000 (95% uncertainty interval [UI], 195 000-276 000)が銃器犯罪や戦争により死亡していると推定され, それらのなんと50.5% (95% UI, 42.2%-54.8%)は6つの国:Brazil, United States, Mexico, Colombia, Venezuela, and Guatemalaが占めているということです。
地図上で表すともっと明らかかと思いますが、北米南米に銃器の流通ルートが存在していること、日常にあふれていることが想像されます。
先進国、という言葉の意味するところはこういった犯罪、それにける健康被害においても
世界の先端、リードを担っていくべきかと思いますが、米国はその意味では非常に後進国であるといわなければなりません。
一方で、1990年から2016年の間の変化は大方減少に向かっていることは世界はより良くなっているとみることもできます。政治紛争や経済不安が起こると社会変化がこういった武器犯罪などに影響を与えることも類推されます。低い武器犯罪率を達成できている社会の原因を知り、自身の国に取り入れる努力を各国の政治家、健康医療に携わるものが学ぶべきと思います。
今回取り上げたテーマに関しては日本は誇りをもってお手本となる社会インフラや銃器管理に関して世界に発信できるのではないでしょうか?
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