病気は医師が診断するもの、が現在の従来の医療でしたが、一部の疾患で遺伝子の差異がもとになっていることは、同時に医師から診断のskillを不要とすることになります。
遺伝子原因疾患に限らず、すべての診断が機械的になされるようになるのは前回のAIの発達を待たなければならないかと思っていますが、今現在で患者自身、あるいは患者予備軍自身で診断可能(理解可能)な疾患があることも事実です。
そんな現代の医療環境、医科学発展の中、FDAが23andMe社の Personal Genome Service Genetic Health Risk (GHR) testsの販売(上市)に許可を出したプレスリリースされ、それに反発する記事がJAMA誌のOnline版に出ていたので取り上げて、思案してみたいと思います。(FDAプレスリリース、JAMAの記事)
パーソナルゲノム解析受託の会社などのまとめについてはこちらの記事にまとまっているようなので参考ください。日本だとこちらを参考までに。
JAMA誌の記事の要旨は、そういった検査の精度や背景疾患などを無視した解釈は患者本人にとっても、検査の結果に直面して発生する治療を引き起こし、医療資源消費の観点で治療者や保険支払者にとっても利益がなく、安易に検査を行うべきでないし、医療専門家の指示のない検査を法的に禁止すべきのような提案をしています。
ただ、一方で検査自体の正確性、疾患&検査結果の解釈を理解できるところまで市民のリテラシーをきちんと掘り起こせるよう、この分野に携わる、開発する方々が取り組めることができるならば、その限られた医療資源消費を患者本人に分散することで必要な治療に集中できることになり、より効率的になるのかと想像できます。むしろ、こういうことをサポートすることができる職業が必要かもしれません。規制当局、医療者、市民(患者)がより深く議論できるような時代が始まるのかなあと感じています。
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