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6/11/2017

家族、友人、孤独と病

ちょっと寂しい記事ですが、社会的な孤立、孤独と死亡との関連をみた研究が、UK BioBankに参加された方、追跡可能となった方の聞き取り調査を踏まえて検討されて最近のLancet Public Health誌に掲載されているのでご紹介します。(Malko Elovainio et al., )
対象はUK Biobankに登録された466,901名の方、平均年齢56.5歳、追跡平均期間6.5年の方々。
社会的孤立は以下の三つの質問:1)一緒に暮らしている人がいるか、2)家族や友達があなたの家を訪れる頻度が月に一度あるかどうか、3)一週間に一度レジャーや社交イベントに参加しているかどうか
孤独:孤独に感じるかどうか、親密な誰かを信じることができるか、の頻度が少なくとも数か月に一度あるかどうかで判定している。
アウトカムはBiobankの研究追跡の中で拾われる死亡登録からその原因疾患とともに確認。基礎情報は登録時などに収集、その他タッチスクリーンや電話を用いた調査で被験者のその他の基礎情報や喫煙、QOLも実施。
結果は期待された通り社会的な孤立は死亡リスクを高くしていること(ハザード比で1.73[95%CI1.65-1.82])、孤独でも、一部の因子調整では同じくハザード比1.38[1.30-1.47]と高くしていることを確認。社会経済的なコンディションや心理的な側面、家族が伴わないことによる非健康的なライフスタイルが死亡やその原因となる疾患リスクを高めることを示唆しています。
驚いたことは、
対象者集団の9%にあたる42,548名、あるいは6%にあたる29,442名が社会的孤立、孤独を感じていることが明らかにされたことです。

(追記になりますが、)ぜひ、男女の違いも明らかにしてほしかったですね。一般論として、ホモサピエンスの男性は孤独に弱く、女性は新たなコミュニケーションネットワークを樹立しやすく、孤独・孤立そのものへの男女の対応の違い、それでも陥った場合に性別で反応の違いがないか、などなど、背景因子の違いをもう少し深堀してほしかったです。

一般人(と思われる)方々から少なくない方々が社会から閉ざされている、と感じている社会は果たして高度な科学や技術が発展してきた社会として正しい発展をしているのでしょうか?医療は人々の健康、寿命をよりよくすることを目的に施されます。同時に社会に対する還元を果たしていると思います。同じくこういった研究も、その結果から疾病負担への影響を議論するためでなく、むしろ死亡、疾病リスクの要因となりえるリスクを取り除く取り組みに発展していってほしいです。
ぜひ、継続的な調査研究が望まれ、むしろこの孤独孤立を個々の市民が感じられなくなる社会環境を達成することを提言してほしいと思います。

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