最新のBMJ誌に日本からの報告、国立がん研究センターの多目的コホートからの報告があったのでご紹介します(Budhathoki et al., BMJ, 2018)。
ビタミンDの充足(体内血中濃度)、適切な太陽照射ががん細胞の増殖を抑制したり、発癌を抑えるということが動物実験や人の観察研究でも示唆されてきていますが、今回この日本人コホートでは、40歳以上の多目的コホートに登録、血液サンプルを保管された方々のなかで、最終的に3301名の発癌患者(ケース)とそのランダムに選んだコントロール4044名の方で、血中ビタミンD濃度と発癌リスクを比較したというもの。
論文中記載ではNested case cohort studyとあるので、上記のサブコホートをコントロールとしてとっていないし、サブコホート内でケースが発生しているのでどのような比較をおこなったか詳細は不明である。
血中ビタミンD濃度を四分位に分けて、最低のものをリファレンスに置いた比較で、がん全体の発症は、ビタミンD濃度が高いと有意に抑えられることを示したが、各部位がんの発癌リスクでは肝臓のみ有意な抑制ハザードを示しその他のがん(過去の報告で言われてきた大腸がん、前立腺がんや肺がんなど)は違いがみられなかった。
(国がんセンターHPからの引用)
ベースライン時のビタミンD濃度はその後の生活の中でどのような変化を示すのか(この研究ではベースラインのみ)、各被験者の追跡期間の違いは補正されているか、遺伝的背景(ビタミンD変換酵素や受容体などのSNPs)をもっと探索してもよい、十分な参加者がいるコホートなので単純にNested case control studyでの実施を検討できたのではないか、などいろいろと突っ込みどころは残るが、これまでアジア人でのデータがなかった、その他の部位がんデータがなかったところに一石は投じることができたものになっている。

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