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8/26/2017

緩和治療における多職種連携

昨今、地域医療推進が行政や学術・民間医療者から叫ばれ、超高齢化社会を迎える日本ではやがて現実対応が迫られており、すでに現場では始まっている状況です。そんな中、特に致死性疾患(悪性腫瘍その他)で緩和治療を必要としている、あるいはその可能性のある患者さんへの多職種連携ー緩和治療専門チームの介入は、本当に患者さんにとって意味があるのか?有用性があるのか?を検証した研究、メタ解析論文のご紹介です(BMJ誌 Gaertner et al., )。以外にも、様々な機関からそういった患者さんの治療に連携した緩和治療を医師にしているにもかかわらず、エビデンス上はあまりよくわかっていなかったみたいです。

メタ解析を不勉強のためあまり詳しく解説できませんが(これをきっかけに勉強できそうです)、メタ解析で評価指標となる標準平均値差(SMD)の程度は0.2くらいでは小さく、0.5でまあまあ、0.8以上だと大きな違いであると認識されるようで、今回行った結果では、緩和治療スペシャルチームの介入は標準治療と比較して、”やや”患者さんのQOL改善に効果がある、 (SMD 0.16, 95% confidence interval 0.01 to 0.31)との結果でした。
期待していた緩和治療チームの介入は患者さんのQOLをよくする効果があまりきれいに認められなかったことは、疾患を広くとっていることや診断と病期に応じたケア提供であって症状がなくても介入されていることなどを理由として挙げていました。
ただ、がん患者さんやより早期の緩和チームの介入はもっと大きな効果サイズとなることが期待されています。( patients with cancer (0.20, 0.01 to 0.38)、especially for those who received specialist palliative care early (0.33, 0.05 to 0.61))

著者たちはDiscussionの中で、(“general palliative care for all plus specialist palliative care as needed”)としていくことは意味があるとの主張をしており、過度な介入も医療資源の無駄になりますが、必要な方への必要な治療は当然必要ですよね。
それほど重い病気でなくても、慢性疾患やロコモティブ症候群などで在宅生活を余儀なくされる方への多職種連携チームの介入の有用性について興味が広がりました。

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