BMJ誌にEditorial comment付きで表題に関する2報の論文が出ていたので紹介します。
(自閉症のリスク by Rai et al., ADHDリスク by Man et al., )
以前から、動物実験、ヒトでの観察研究から妊娠中の抗うつ薬処方が、生まれてくる子の精神疾患への影響が議論されていたようですが、母親または父親の遺伝的背景によって交絡を受けていることが指摘されていました。最初のRaiさんの報告ではできるだけそういった未知の交絡を排除することを目指した解析、具体的にはLogistic regression modelで多変量調節したリスクを示す、Propensity scoreによるマッチング、自閉症を示さない兄弟姉妹、父親のNegative controlを用いた解析を行っています。これらの観察研究における弱点克服の様々な解析によって、交絡では説明できないリスクがconsistentに示されているので、妊娠中の抗うつ薬服薬は、子の自閉症発症に何らかのリスクがありますよ、といったメッセージです。
ただし、Editorial commentでも指摘されている通り、リスクがあるようだがその規模、予防できる規模は妊娠女性の2%に過ぎず、リスクベネフィットを勘案して治療されない母親の不安症、うつ症を顧みないといけないと注意しています。
ManさんたちのADHDでは、若干交絡因子の影響排除が甘いもしくは交絡の影響をうかがわせる結果となっています。実際妊娠期間前の服薬者においてもリスクが示されている、兄弟姉妹のNegative controlや抗精神病薬処方でリスクが示されない、など必ずしも妊娠期間中の抗うつ薬の曝露の影響を明らかにはし切れていないですが、他の研究が示していたnon-SSRIの方がSSRIよりもADHD発症リスクが高いことが示されており、それが選択バイアスなのかどうかわからないですが、関連性を示す示唆は与えています。
私の懸念は、妊娠中の服薬は抗うつ薬に限らず気を付けられるべきであることと、
近年の世界各国特に先進諸国でのADHDや自閉症自体の有病率の上昇は、常態化している抗うつ薬服用に限らず、様々な違法ドラッグの蔓延なども影響しているのではないか、その他の環境因子によっている可能性も含めて検討し、対策すべきかなと想像しています。
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