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2/09/2019

Global Syndemic of obesity

最近の国際医学誌の傾向としてglobal public health, global burden of diseaseや気候変動, sustainable development goals (Japanの現状がわかりやすくマッピングされています. 他国との比較、現状分析、取り組むべき課題について考えさせられます)などなど、地球規模での健康、保健、政治的な観点も含めた制度設計を議論するためのデータ、科学が求められ、活用されつつあることを考える記事が増えていると感じます。
データもオープンにして利用可能にしており、(例えばGBD2017のデータなど)、より世界が近づいて議論できる環境になってきた時代になりました。

そんな中、最近"シンデミック"と、私自身が聞きなれないタイトルのシリーズをLancet誌で見かけましたので紹介します。Commisions report from the Lancet journals 2019Jan

シリーズのタイトルが、"The Global Syndemic of Obesity, Undernutrition, and Climate Change"とのことで、世界の先進国のみならず、発展途上国、日本も含むすべての国々で肥満、栄養失調あるいは栄養の偏りが健康な日常へ多大な影響を及ぼすことを議論しています。経済的なpoorではなく、健康のpoorは、社会として解決すべき課題として取り組む者の一人として見逃せません。

記事詳細は取り上げず、今回は特に、シンデミックの言葉の意味について考察します。
検索で引っかかったのがHIVとエイズに関係したものでした。API-Netエイズ予防情報さんのサイトを参照すると、

シンデミックとは何なのであろうか。シンデミック(syndemic)とは、エピデミック(epidemic)、エンデミック(endemic)、パンデミック(pandemic)と同様の語尾をもつが、相乗効果を意味するsynergyに由来する。米国CDCの定義によると、シンデミックとは「ある集団における疾病の負荷を相乗的に悪化させていく二つ以上の苦痛(afflictions)」と定義されている[2]。例えば、ニューヨーク市のスラム街に住むアフリカ系やカリブ系アメリカ人の間でHIV/AIDSが流行している背景を知るには、まず彼ら彼女らを取り巻く具体的な生のリアリティを、グローバリゼーションとの関係の中から広く理解する必要がある。このリアリティとは、貧困、非雇用、栄養失調、人種差別、ドラッグ使用、ジェンダーに基づく暴力、家庭崩壊などをめぐる具体的生の様相である。これらのリアリティは、グローバルな政治・経済における不平等や格差と密接に関連している。貧困による栄養失調が人々の免疫力を低下させ、違法なドラック使用を促進し、HIV感染の脆弱性を高める。シンデミックとは、これらの人間の苦痛が複合的に増幅されていくことをさす。”

人間一個体の病気を考える際にも様々な要素を検討し検証し、疾病の原因を探るのと似て、疫学においては生態学的な視点からburdenとなる理由、背景因子、リスクをさぐること、それらがsynergisticに作用するさまを検証していくことが求められ始めているのだと思います。
原因が明確な感染症をワクチン予防する、抗ウイルス薬でウイルスを枯渇させる、といった対症療法だけではなく、生活習慣病や呼吸器疾患を外来指導療法することとの合わせ技で取り組むように、生活習慣、環境、食事を整えることは政治制度面から行って社会を健康にしていくことが求められているのかと考えさせられました。

疫学の一種ともとられられるので、医療業界、健康産業業界や医学部での教育の中に取り込まれていくことが望まれます。










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