最近のLancet姉妹紙からのご紹介(Helbich et al., Lancet Planetary Health 2018)。
ここでは、Helbichらのグループは、緑色の空間(草、森林、または公園が豊富にある環境)と青色空間(新鮮な海水)からの近接性と、 オランダのほぼ400の自治体で自殺率を比較しました。 彼らは、緑地の割合が中程度以上と低い地域と比較して、緑地環境が多いほど自殺率が低いという統計的な証拠を報告しています。 これとは対照的に、自殺と青色環境の関係や海岸近くに住んでいることの関連性は見つからなかったことを報告しています。
緑地の割合が高い市町村(相対リスク0,879,95%信頼区間0,779~0,991)または緑地(0,919,0.446~0.998)の中程度の割合を示す市町村では、 緑地の少ない自治体に比べて自殺リスクが低かったことが示されました。 緑地の都市性(都市か田舎か、という点)とは影響しなかったようです。 青色環境、沿岸の接近性も自殺のリスクとは関連していなかったようです。 住地域の相対自殺リスクの地理的バラつきはかなりあり、オランダの南(内陸部)はリスクが高いようでした。 かれらの調査結果は、自然環境、特に緑化への曝露が自殺死亡率を低下させる役割を果たすかもしれないという考えを支持する結果となりました。 個々のレベルでの将来の研究によって確認されれば、環境曝露の考慮は自殺予防プログラムを豊かにするかもしれない、との言ですが、本当に何が自殺を減少させているのか、自殺手段のアクセスの容易さや、社会のサポートなど、この時期にはいろいろと考えさせられる研究です。
日本国内の地域差、周囲環境、都市性、年齢分布などとの違いを見てみたいものです。

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