昨日あげたテストステロン療法における認知機能改善を検証した研究に関連して目についたので、手短にご紹介。
Lancet誌の2月の記事で、カナダのオンタリオ州(人口1360万人)のカナダ生まれの市民のうち、20-50歳の市民437万人の多発性硬化症、、55-85歳の市民216万人の痴呆、パーキンソン病発症リスクを居住地域:幹線道路からの距離50m未満、50-100m、101-200m、201-300m、300m以上、に分けて解析したもの。
空気環境汚染(NOxやPM2.5など)や騒音が上記の3つの主要な神経変性疾患に影響を与えている可能性を検証した初めての試み。これだけ大規模で縦断的に検証されたのは初めて。
結果は、痴呆に関しては筆者らの予想通り、幹線道路からの距離に応じて発症リスクが高いことが示されている。距離に応じてその相対リスクが増加すること、感度分析でもその関連性が示されたことから、相対リスクはわずかだが、頑健性のある結果であると主張している。
パーキンソン病、多発性硬化症は残念ながら関連性は認められなかったようだ。
US、カナダなど車生活が基本となる都市、まちでの神経変性リスク同様、
日本の首都圏では駅に近い=徒歩、運動時間が短いことと慢性疾患との関連性など、この研究から発展できるアイデアは尽きない。
0 件のコメント:
コメントを投稿