Translate

10/14/2018

環境汚染、気候変動と健康管理の国際イニシアティヴ

少し前に自然災害、特に気候変動である干ばつと死亡率、循環器、肺疾患による入院率との関連性を検証した記事をご紹介しましたが(気候変動と健康への影響の記事)、
それとも関連した観点での研究コンソーシアムのご紹介。

The Institute for Health Metrics and Evaluation (IHME) 、representatives from the US National Institute for Environmental Health Sciences, environmental non-governmental organisations, the UN Environment Programme, and major foundations
上記団体、政府機関などが協力して、”a new Initiative—the Global Burden of Disease (GBD)- Pollution and Health Initiative”を始めていこう、との計画をLancet姉妹誌上で紹介されています(Hu et al., Lancet Planetary Health 2018, DOI:https://doi.org/10.1016/S2542-5196(18)30189-X )。

太平洋の向こう側でもPM2.5が議論されていること、最も世界の工場からの被害を被るであろう日本がここに貢献できる期待を込めてご紹介しておきます。


自殺率の年次推移と性別 インドの例

Lancet姉妹誌からインドにおける死亡原因の上位、世界における10-30代の死亡原因の上位(2-3位)を占める自殺を取り扱った記事のご紹介(India State-Level Disease Burden Initiative Suicide Collaborators, Lancet Public Health 2018;3: e478–89

喜ばしい結果は、1990年から2016年の推移に関して、女性の自殺率は減少を示していること、残念なことは、男性では過去からの推移変化は見られていない、世界の自殺率と比較してもインドの女性、男性では高い値を示していることである。
~Suiside death rate (SDR) in women was 2·1 times higher in India than the global average in 2016, and the observed-to-expected ratio was 2·74, ranging from 0·45 to 4·54 between the states. SDR in men was 1·4 times higher in India than the global average in 2016, with an observed-to-expected ratio of 1·31, ranging from 0·40 to 2·42 between the states. ~

翻って我が国の自殺率は決して低くなく、10万人あたり男性で25-40ほど、女性で10-15前後、といった値を示すことが全国統計などからわかっています(参照リンク)。隣の火事ではない状況です。これらの結果をLancet姉妹誌に掲載し、国策の必要性を訴える、awarenessを高める試みを進めている国を見習うべきではないでしょうか?人的リソースが国や人類発展の基礎であることから出産、乳幼児を守る健康管理と同じように、自殺による死亡はGlobal burdenである観点を持てるようにならないといけないのかもしれません。
お国柄の違いからかもしれませんが、そろそろ日本も統計を取る意味、活用する意味を政策をデザイン・実施するメンバーが理解する必要があるかと思います。so what?がない活動、人件費は税金がいくらあっても足りないのでは、と感じるこの頃です。
もう一つ特筆すべき点は、あのメリンダ&ビルゲイツ財団もファンドしている活動であること、世のお金持ちも目指したいただきたい姿勢ですね。
Funding: Bill & Melinda Gates Foundation; and Indian Council of Medical Research, Department of Health Research, Ministry of Health and Family Welfare, Government of India.