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4/29/2018

外科医も人間

以前同じ著者から診療を診ている医師の特性の違いと予後を解析したUSデータがありましたが(過去のブログから)、
同じ目線で外科医の背景と高齢患者における術後の予後を比較し、手術医の背景特性との関連を見たという報告が最近のBMJ誌のトップに並んでおりました(Tsugawa et al., BMJ 2018)。同誌内でのコメント記事も出ていたので合わせてご紹介します。

2011-2014年の間のメディケアプランの入院のうち20の主要な術後の30日間の死亡をアウトカムとして、手術者の背景、年齢(40未満、40代、50代、60歳以上)と男女で予後に違いが出るか検討。
大きい違いは見られていないが、各年齢層ごとのトレンドは有意に違いが出たとの報告、つまり、年齢層が高い術者の方が若干ではあるが死亡率が低下していたというものだ。
男女間の術者の違いは認められなかったが、50代女性の術者が最も低い死亡率となっていたそうである。

何事も経験が技術を改善させていることを知らされる結果であったが、逆のことは起こっていなかったか、例えば70代以上、手術医外科医の背景疾患(緑内障など)の有無が手術に影響を与えていなかったなど、個々のケースの検証、手術の成否を見ていくことも重要な気がしている。
またロボット支援手術と人間だけの作業の成功確率や予後への影響など今後もクエスチョンは尽きないようである。