しばらく時間をあけてしまって恐縮至極ですが、
気分一新、雑誌社も新しい雑誌をオープンされたようなのでそこから本日のお題を提出させてもらいます。
Lancet Planetary Healthという雑誌が刊行され、干ばつの発生と健康への影響を調査した研究論文が報告されました(記事リンク)。
2000年から2013年と非常に長期に、しかもDailyベースでMedicareの請求情報と干ばつ情報(US Drought Monitorがデータソース)の関連性を見たというものになっています。
アウトカムは非干ばつ時期と比較して干ばつ時期(干ばつのひどさで5分類)の死亡、循環器、呼吸器による入院をみたものです。
結果は、非常にひどい干ばつ期に死亡が若干増加すること、逆に呼吸器系の入院は減少すること、循環器系の入院には変化なしだったようです。干ばつ期間が少なかった地域ではそうでない地域に比較して死亡、循環器系の入院が増加することも推定しています。
USの最近の気候変動による社会への影響を考え、また、介入、暴露が決して薬剤や治療者だけではない環境因子を考えた試みかと思います。ジョン・スノウのコレラ研究や、農薬の害悪の端緒となった「沈黙の春」同様、この記事から考えさせられる、発展するリサーチクエスチョンは尽きなく感じました。